太陽軒が海月姫の天水館になってしまいました。
今年の1月に公開された映画「海月姫」で、オタク女子の主人公たちが暮らす聖地「天水館」というアパートが
ドラマの重要な舞台として出てきました。

上映館の立て看板にも主人公のバックに「天水館」が。
映画の中で「天水館」として、実際にロケに使われたのは、川越にあるレストランの「太陽軒」でありました。
この太陽軒は昭和4年頃に建設された洋館で、当初から洋食店を営んでいた由緒ある店舗です。
2003年に当方の設計で保存再生工事を行って、現在でも川越を代表する洋食店として営業しており、国の登録文化財に指定されています。

モダン亭 太陽軒
ここは以前にも「仮面ライダー電王」のロケ地にもなったことがあります。
この太陽軒を天水館としてロケに使ったことは、映画のプログラムの解説:プロダクションノートに書かれています。
以下その本文。
「外観は、埼玉県川越市にあるレストラン、太陽軒でロケ撮影。
原作漫画の天水館のモデルとなったアパートと同じ建築家が設計した建物で、国登録有形文化財にもなっている。白壁のモダンな外観は、美術チームの手によって、蔦のからまる年季の入った館に見事に変身した。」
このノートにある天水館のモデルとなったアパートというのは現在でも早稲田の路地裏にひっそりと建っています。
その写真がこれ。

原作漫画で描かれている天水館はこちらのアパートの方によく似ています。
おそらくこの建物を実際に写しとったのではと想像します。
もう少し近くに寄ります。
建物角;入口部分
道に面した部分、下宿人の部屋が並んでいます 右奥が入り口
建物裏面 裏は下見板は張りになっている
この建物、場所柄学生用の下宿として建てられたと想像できます。現在も下宿なのか、普通のアパートなのかは不明ですが、結構古いことは一見してわかります。
竣工時期は戦前までさかのぼることができるかわかりませんが、50年以上は十分時を経ていることは間違いありません。
上記プロダクションノートに書かれているように川越の太陽軒と同じ建築家の設計では、残念ながらありません。
太陽軒の建築家は記録がなく不明です。修復設計は当方ですが、こちらのアパートはもちろん当方の設計ではありません(たぶん当方の生まれる前の竣工です)。
また、太陽軒の壁は白壁ではなく薄桃色の漆喰塗りです。

このように、モデルとなったアパートと太陽軒とは少し違うのですが、なぜ漫画のモデルのアパートをロケ地にせずに、わざわざ太陽軒にしたのでしょうか。
そのあたりは、いろいろと大人の事情があったのでしょう。
ということで垢抜けした太陽軒の建物を映画の美術さんがドラマに合わせて作り込んだ「年季の入った」姿の写真です。
この写真は保存再生を担当した工事会社の人に撮ってもらったものです。

蔦などをからめたり、門柱をつけたりいろいろ作業中

建物角が入口という構成は同じ 庶民風の板塀がついたり、洗濯物をぶら下げたり

植込みまで作り込んでます
どうやっていろいろなものを取り付けたのか不明ですが、太陽軒はこのあと元に戻って無事営業中です。
ドラマの重要な舞台として出てきました。

上映館の立て看板にも主人公のバックに「天水館」が。
映画の中で「天水館」として、実際にロケに使われたのは、川越にあるレストランの「太陽軒」でありました。
この太陽軒は昭和4年頃に建設された洋館で、当初から洋食店を営んでいた由緒ある店舗です。
2003年に当方の設計で保存再生工事を行って、現在でも川越を代表する洋食店として営業しており、国の登録文化財に指定されています。

モダン亭 太陽軒
ここは以前にも「仮面ライダー電王」のロケ地にもなったことがあります。
この太陽軒を天水館としてロケに使ったことは、映画のプログラムの解説:プロダクションノートに書かれています。
以下その本文。
「外観は、埼玉県川越市にあるレストラン、太陽軒でロケ撮影。
原作漫画の天水館のモデルとなったアパートと同じ建築家が設計した建物で、国登録有形文化財にもなっている。白壁のモダンな外観は、美術チームの手によって、蔦のからまる年季の入った館に見事に変身した。」
このノートにある天水館のモデルとなったアパートというのは現在でも早稲田の路地裏にひっそりと建っています。
その写真がこれ。

原作漫画で描かれている天水館はこちらのアパートの方によく似ています。
おそらくこの建物を実際に写しとったのではと想像します。
もう少し近くに寄ります。

建物角;入口部分

道に面した部分、下宿人の部屋が並んでいます 右奥が入り口

建物裏面 裏は下見板は張りになっている
この建物、場所柄学生用の下宿として建てられたと想像できます。現在も下宿なのか、普通のアパートなのかは不明ですが、結構古いことは一見してわかります。
竣工時期は戦前までさかのぼることができるかわかりませんが、50年以上は十分時を経ていることは間違いありません。
上記プロダクションノートに書かれているように川越の太陽軒と同じ建築家の設計では、残念ながらありません。
太陽軒の建築家は記録がなく不明です。修復設計は当方ですが、こちらのアパートはもちろん当方の設計ではありません(たぶん当方の生まれる前の竣工です)。
また、太陽軒の壁は白壁ではなく薄桃色の漆喰塗りです。

このように、モデルとなったアパートと太陽軒とは少し違うのですが、なぜ漫画のモデルのアパートをロケ地にせずに、わざわざ太陽軒にしたのでしょうか。
そのあたりは、いろいろと大人の事情があったのでしょう。
ということで垢抜けした太陽軒の建物を映画の美術さんがドラマに合わせて作り込んだ「年季の入った」姿の写真です。
この写真は保存再生を担当した工事会社の人に撮ってもらったものです。

蔦などをからめたり、門柱をつけたりいろいろ作業中


建物角が入口という構成は同じ 庶民風の板塀がついたり、洗濯物をぶら下げたり

植込みまで作り込んでます
どうやっていろいろなものを取り付けたのか不明ですが、太陽軒はこのあと元に戻って無事営業中です。