吉祥寺の戦前コンクリート建築(4)

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    吉祥寺にあるもう一つのレーモンド建築は、昭和10年竣工の旧赤星鉄馬邸です。




    赤星邸、竣工時  上:南(庭)側外観 下:北側エントランス外観
    「JA季刊 アントニン・レーモンド」より

    この時期レーモンドは赤星喜介邸(1932昭和7) 、川崎守之助邸(1934昭和10)、といったコンクリートの住宅を設計しています。


    赤星喜介邸  三澤浩 「A・レーモンドの建築詳細」より

     
    川崎守之助邸 「JA季刊 アントニン・レーモンド」より

    いずれも屋根のないフラットルーフの箱型モダニズム建築で、赤星喜介邸では開口部を連続した窓とし、川崎守之助邸ではコンクリートの打ち放し仕上げでピロティも採用しています。




    元来日本の住居では、木造のフレームを用いて開口部を多く設
    け、通風を確保し高湿の夏を乗り切ってきました。そのため連続した開口部や、連続して柱の立つ縁などが立面に現れることはさして珍しいことではありません。

      
    連続開口 東福寺 東司                    単独窓 パラッツオ・ストロッツイー

    しかし煉瓦などブロックを使う中近東やヨーロッパの建物では、壁体が建物の構造体を支えているので、横に連なった開口部を設けることは不可能です。


    それを可能にしたのが鉄筋でコンクリートを補強したフレームの構造です。
    この鉄筋コンクリートや、工業生産で得られた鉄材の柱梁によって壁を構造から解放し、自由で大きな開口部が得られ、床を中空に上げて列柱で支持するピロティも出来るようになりました。

    そして、この連続した開口部:連窓やピロティ、屋上庭園などをデザインに採用した箱型の建物を、この頃手掛けていたのがコルビュジェです。


    ル・コルビュジェ 18871965

    建築学会編 「近代建築図集」より

    スイス生まれのフランスの建築家(画家でもある)。近代建築や都市計画に新しい思想を提唱して各国に影響を与えた。1920年代から自ら提唱した近代建築の五つの要点:ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面;を具現化した建築を作り出し、戦後は国際的に幅広い活躍をした。日本でも人気が高い。



    ヴィラ・ド・モンジー 1927 「GA世界の建築3」より


    ヴィラ・サヴォワ 1931

    レーモンドはコルビュジェが発表した住宅案を木造で自身の別邸に採用し、これを知ったコルビジェが驚いたことがあるぐらいで、赤星邸などモダニズムスタイルの住居もその影響を受けていることは間違いありません。



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