木造住宅の耐震補強 Ver2(3)

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    では、策定した改修計画に従って、 Missionごとに実際の工事のの流れを見ていきます。



    Mission
    1 出窓部分の改善 
    出窓を撤去してみると構造上重要な建物角が大きく口を開け、柱が1本だけ建っている状態で、いかにも心もとないことがわかります。
     
    右・出窓上部、左・下部
    柱が1本建っているだけで、角部分を維持していた。2階も同じ状態。

    まず中央(半間のところ)に柱を建て、接合部は金物で補強し(各Missionの挿入柱共通)、そこにスジカイもタスキ掛けに挿入します。

    柱を設置;スジカイは仮設補強のもの


    スジカイ取り付け

    スジカイは9cm×4.5cmの材を使用し、端部は金物でしっかりと固定します(各Missionのスジカイ共通)。

    スジカイ端部の金物 柱、梁に固定する

    これもすべてのMission共通ですが土台など部材が腐食していないことも確認します。
    これでこの部分はしっかりと耐震壁が形成されたことになります。


    Mission
    2 西側張出し部分の改善
    この張出した部分を撤去すると1階で外壁を支える壁がほとんどなく柱が1本あるだけで、図面でわかる以上に不安定であることがわかります。

    あまりのスカスカ状態に呆然

    また、古い住宅ではよくあることなのか、桁も細い材料が使われています。
     

    そこでまずその細い桁を補強し、それから柱を挿入します。

    柱を設置;スジカイは仮補強のもの

    そしてスジカイを入れ、しっかりとした耐震性のある外壁とします。

    一部桁に部材を付加し、スジカイを挿入(枠は窓用下地枠)


    Mission3 1階南下屋部分御補強

    ここは2階の外壁が載る構造的重要なラインです。そのためか桁は太いものを使用していましたが、前記のように柱が数本あるだけで2階の荷重を持たせていました。
     



    また、1ヶ所あった壁もスジカイは入っていませんでした。今回しっかり補強する必要があります。

    まず基礎を入れることから始めます。


    基礎コンクリート打設中

    基礎コンクリート打設後、土台を新たに入れ(基礎とアンカーで固定)、柱とスジカイを挿入して耐震壁を造ります。
     
    基礎上に土台を設置し、柱を建てる;床根太も取り付けた状態

     
    スジカイ挿入;個室を仕切っていた既存柱間にもスジカイ挿入

    既存の壁にもスジカイを入れて耐震性を高めます。

    新たに設置した柱は金物で固定します。
     

    これで、2階外壁及びその他の荷重をしっかりと支持させます。

    このラインと直交する南北の筋にも基礎を入れ、基礎全体を補強するとともに、あらたに入れたスジカイで耐震壁を形成します。


    下屋と直交する部屋境の壁だったところ;土台は束に載っていて基礎がない


    この部分にも同時に基礎コンクリートを設置

     
    コンクリート打設後、床を造ると同時に既存柱にスジカイ設置


    Mission
    4 段差の梁の支持
    2階の段差を支えていた大梁は改修後も重要な構造部材なのでこれも柱を入れて支持します。
     

     
    梁の下に柱を挿入;その後両脇にスジカイを設置して耐震壁とする

    柱の下にはもちろん基礎を挿入します。

    右側が新たに入れた支持柱


    Mission5 2階北側張出し部分の補強
    1、2階北側に張出した部分、壁の出入を整理(一部撤去)した上、一部残した2階の張出し部分は柱+壁でしっかりと支え補強します。

    壁の出入を整理;突き出した部分の撤去中

    当然のことながら柱の下には基礎と土台を新たに設置します。
     
    基礎を打設し、土台を設置   支持柱を挿入


    補強横桟を入れ、支持壁を形成する


    Mission
    最後に、既存の壁でスジカイの必要なところには新たにスジカイを挿入し、既存柱の上下や、既存のスジカイにも補強金物を取り付けます。
     
    既存柱間へのスジカイ(+金物付け) 既存柱への補強金物取り付け

    また、既存の土台には一応基礎とのアンカーが設置されていること、基礎にも一応鉄筋が入っていることも確認します。

    既存の土台基礎アンカー

    それに加えて、屋根と軒の耐風性を高めるために桁上部の垂木にも補強
    金物を取付けます。

    垂木への補強金物取付け

    以上で、耐震補強工事完了です。

    補強工事を施した1階平面図 挿入柱は主に2階を支える位置に入っている

    工事前不安定であった部分は耐震壁が入り、柱や梁などの接合部にも金物を入れ補強したので、耐震性はしっかりアップしたと考えてよいでしょう。
    (その後外壁や特に軒先などを不燃材で覆い、窓ガラスも延焼の恐れのある部分には網入りガラスをいれて、安全性をさらに高めていきます)

     完成した姿は
     http://terui.biz/work_ino201212/index.html
     にてご覧下さい。



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